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ヨガ

「運動と免疫について」中村尚人

「運動と免疫」について、簡単に現在分かっていることを各種報告に則って解説します。

適度な運動は感染症のリスクを下げ(感染する確率が低い)、高強度の運動は感染症のリスクを逆に高めると言われています。また、適度な運動をしている人は、上気道感染による症状の持続時間が短いという報告もあります。適度な運動を習慣にしていると、ウィルスに感染しにくく、感染したとしても早く治るということです(寺田, 鈴木 et al. 2007)。

ウォーキング

一般的に適度な運動として、20分〜60分間の有酸素運動(サイクリング、ウォーキングなど)を週3〜5回行うことが奨励されています。ヨガやピラティスなども強度的にはウォーキングと同じように軽度な運動に分類されますので、感染症のリスクを下げる運動としてオススメできると思われます。

運動はリンパ球の一種であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を高めます。NK細胞は癌細胞を駆除する働きとウィルス感染の予防効果があります。また、笑いにも同じくNK細胞の活性を高める効果があると言われています。高強度ですと、一時的にNK細胞の活性は高まるのですが、運動後にはリバウンドが起こり、運動前よりも活性が下がってしまいます(奥村 2003)。

免疫に関係するものとして、HSP(ヒートショックプロテイン)があります。HSPは損傷したタンパクを修復する働きがあり、疲労軽減、疲労からの回復が早くなります。温熱刺激によって、HSPは高まります。体温が1度上昇する刺激で分泌されます。お風呂や温泉に入浴するとその後翌日をピークに2日間活性が高い状態を維持します。

温泉

HSPは適度な運動でも増加し、やはりNK細胞の活性と同じく、高強度の運動では逆に低下します(田島文博 2011)。風邪の原因として有名なライノウィルスは、温度が高い細胞に感染しても増殖できないことが分かっています(永富 2011)。「冷え」は万病の元というのもあながち迷信ではなさそうです。

免疫系を担当しているリンパ球(T細胞、B細胞など)は血流に乗ってパトロールしているため、運動によって循環が促進されると、監視システムが強化されます。

肥満は免疫機能を下げます。運動は、メタボリックシンドロームによる免疫抑制を改善する効果を期待できます。肥満の方は、肥満でない人に比べ入院中に亡くなる確率が7倍高と言われています。癌の発生率も肥満の方は高いそうです。胸腺由来のT細胞も肥満の方は、そうでない方に比べて減少しています。

救いなのは、適正体重へ回復すれば、T細胞も回復することです。適度な運動によって、適正体重になることは、それそのものが免疫的には意味があるのです。

適正体重へ

免疫には、自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫は細菌を駆除する好中球などの「顆粒球」や、癌細胞を駆除するNK細胞などの「リンパ球」があります。獲得免疫はいわゆる抗体を用いた免疫が主で、B細胞などの「リンパ球」が主に担当しています。また、獲得免疫には局所的にマクロファージなどが直接貪食する「細胞性免疫」と、B細胞による抗体を用いた「液性免疫」に分かれます。
免疫には「補体」という獲得免疫を促進する蛋白質分解酵素も関与しています。ビタミンCやC、Eによる免疫機能の向上などもあり、複合的な要素によって成り立っています。

今回見てきたように、適度な運動習慣は免疫機能を高めるという効果はあると言えそうです。インストラクターの立場としては、サイクリングやウォーキングを同じく、軽運動に分類されかつ、ストレスを軽減させてくれるヨガも是非行って欲しいと思います。

ヨガ

 

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参考文献リスト
永富良一 (2011). “運動をするとカゼをひきやすくなるのか?-オープンウィンドウ仮説への挑戦-.” 体力科学 60(1): 81-81.
奥村康 (2003). “免疫・不老長寿.” 順天堂医学 49(3): 317-320.
寺田修 et al. (2007). “低強度短時間運動負荷とトレーニングが細胞性免疫能に及ぼす影響.” 日本補完代替医療学会誌 4(2): 71-77.
田島文博 (2011). “温泉・温熱の先端科学をリハビリテーションへ.” The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 48(1): 15-38.

中村尚人

中村尚人 profile
ヨガインストラクター(E-RYT500、Yogasynergy Level4、sVIYASA YTIC)。イージーヨガプラチナアンバサダー。ピラティスインストラクター。理学療法士/温泉利用指導者。
ヨガ指導は医学的な視点から安全に配慮しつつ、伝統的なヨガと現代的なヨガを組み合わせ、心身の調整法としてのヨガを伝えている。 ファンクショナルローラーピラティス®、アーサナアナトミカルアプローチ®などオリジナルコンテンツの啓蒙によって、 安全な運動による予防医学を広めている。『効かせるヨガの教科書』『いちばんよくわかるピラティスレッスン』など著書、監修多数。

公式HP:https://www.naoto-nakamura.com/
公式インスタグラム:@naoto_nakamura
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