こんにちは。イミュテラスレポーターのリナです。
今回は、イミュテラスでも取り扱い中の自然栽培米『亀の尾』の生産者であり農学博士でもある荒生さんにお話を伺いました。
農薬や肥料を使わない農法である自然栽培を行っている生産者の方は日本ではとても少ないのが現状です。荒生さんが農業を始めてから自然栽培に取り組み始めたのはどんなきっかけだったのでしょうか。
「農業を始めることになったのは農家の長男に生まれたことがきっかけですが、最初は農家ではなく全く違う仕事をサラリーマンとしてやっていました。ただ、子供の頃から体が弱くて、とにかく学校を休みがちでした。大人になったら丈夫になっていくのかなと思っていましたが、残念ながら社会人になってからも、体調はあんまり良くなくて5年半会社にお世話になった間も結構休んだ時があります。」
「その後、会社を辞めて実家に戻って始めたことが、《自分が健康になる為の食べ物作りを通して生活を見直す》ということでした。当初は農業をやりたい、農業を生業として立てたいというよりも、自分の為の食べ物作りでスタートしました。最初は自然栽培じゃなくて、まずは有機栽培から始めました」
「当初は、自分の為の食べ物づくりには一番いいのが有機栽培と思い、有機栽培を始めたんです。有機栽培やって5年くらいは物凄く良かったんですが、5年過ぎた頃から田んぼの状況が変わってきたんです。田んぼの土がドブのようになってしまい、稲の根っこがやられ、稲が弱っていくんです。弱ってくると同時に害虫がやってきて、お米が育たなくなってきてしまいました。同時に、この田んぼでできた米を食べたくないと思い、どうしたらいいかなという風に思うようになりました。」
一度は成功した有機栽培での農法がうまくいかなくなってしまった、しかしこの挫折こそがその後の自然栽培とので出会いに繋がったそうです。
「上手くいかず、悩んでた時に今もお世話になっている山形大学の農学部の先生とお会いしてご相談したことをきっかけに『大学に来て研究しませんか』と声を掛けてもらいました。そこから山形大学の大学院の修士課程に入って2年間の研究が始まりました。当時行っていた有機栽培は農薬は元々から使っていない為、何か悪さを強いる肥料があるかもしれないと考え、まず有機肥料を抜いてみようということになりました。肥料も使わない農薬も使わないとなると結局、今の自然栽培のスタートに繋がっていったんです。その後、無肥料になり始めたら田んぼが整っていき、稲もどんどん元気になっていきました。」
「また、有機栽培のときには敵だと思っていた害虫も、自然栽培に出会ってからは全部食物連鎖で無駄なものがない、全ていていいんだなという感覚になっていきました。有機栽培の時は自分がこの肥料を配合して、その肥料を使ってお米を育てるから自分が育てた米！というイメージがあったのが、今は太陽と地球と水との贈り物という、感謝が大きくなり、純粋に『ありがとう』と思うようになりましたね。」
美味しくて体にも自然にも良い自然栽培に切り替えてから、約1年ほどして体調不良も改善していったという荒生さん。ご自身で作った食べ物から、今度は少しずつ生活習慣も変わっていき自然への感謝の気持ちと共にどんどんいいサイクルになって体重も14、5キロ程落ちて健康体になっていったそうです。
そんな荒生さんが生産している自然栽培玄米「亀の尾」。お米本来の味が堪能でき、私も初めていただいたときにその美味しさに感動しました。自然の恵みをたっぷり受けて育ったお米を、是非、お手に取ってみてください。
荒生さんインタビュー動画『農学博士の語る、無農薬・無肥料 自然栽培玄米』
profile
荒生秀紀
無農薬・無肥料・自家採種を徹底した自然栽培で米作りを続ける農家・農学博士。
サラリーマン時代に不規則な生活リズムで体調を崩したことをきっかけに、「健康になるため」「自分のための食べ物づくり」の思いで、実家の田んぼの一部を借りて農業を開始。山形大学農学部で無農薬・無肥料による米の栽培を研究し、農学博士号を取得するなど、研究と生産を並行して続けている。
イミュテラスレポーター：リナ（齊藤里奈）
ヨガ講師・マインドフルネス講師。イージーヨガクリスタルアンバサダー。
NHK Eテレ「いないいないばあっ！」2代目お姉さん。
個々の特性に合わせたイシュタヨガの学びを軸に2012年よりヨガ講師として活動。NHKEテレで子供向け番組のお姉さんをしていた経験を活かしてベビー＆キッズから大人まで幅広い年代に向けたレッスンやイベントを開催。自己免疫疾患を患ったことをきっかけにヨガと合わせてマインドフルネスや体の内側からの健康を学び健康美容家としても活動。2019年に起業し企業向けの健康促進やストレスケアの研修等も監修。
Instagram：@rina.saito1003